これからの「情シス」(情報システム部門、情報システム子会社)が獲得していくべきケイパビリティとは何なのでしょうか。データ基盤、AI、IoTなど、技術面での進展はもちろんのこと、それ以上に求められるのは「探索」と「適応」の実現、リードではないかと考えています
組織がその可能性を広げるためには「探索(仮説検証)」と、その過程や結果から判断や実行をより適切なものへと変えていく「適応(アジャイル)」が自ずと期待されるところです。そのための具体的なすべであり、あり方が「仮説検証型アジャイル開発」です。
なぜ、「情シス」が仮説検証型アジャイル開発を獲得し、担う必要があるのでしょうか。いくつかの背景があります
- 既存組織内に、仮説検証とアジャイルを担う役割、機能がそもそも存在しない。横断組織であり、組織内を行き来する役割である情シスにはその可能性がある
- 適用範囲は、新たな事業やプロダクトの創出から、既存事業の新陳代謝まで広くなる。一方その根底を成すのは「アジャイル開発」であり、情シスの範疇となる
- 情シスがその役割、機能性、果たすべきミッションの向上のために、新たな武器を獲得していく必要がある
仮説検証型アジャイル開発の適用先は、新規事業創出だけではありません。むしろ、既存事業や既存システム開発においても、デジタル・データ利活用やモダン化の観点から探索と適応が必要であり、既存の活動としての取り組みやすさがあるはずです。つまり、仮説検証型アジャイル開発は今後どのような領域でも必要であり、どの程度適用するかが対象の不確実さに基づく「度合い」であると言えます。
仮説検証型アジャイル開発をチームとして、組織として、身につけていきましょう。一方、仮説検証どころか、アジャイル開発もまだ始められていないという組織も多いと思料します。どのようにして、アジャイル開発へ、さらに仮説検証型アジャイル開発へと到達するのか。本勉強会を通じて、その手がかりを得ましょう
1.「情シス」が始める価値創出 〜仮説検証型アジャイル開発への取り組み方〜 (40分)
2. 質疑応答 (20分)
株式会社レッドジャーニー 代表
元政府CIO補佐官
DevLOVE オーガナイザー
サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、自らの会社を立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。訳書に「リーン開発の現場」がある。著書に「カイゼン・ジャーニー」「正しいものを正しくつくる」「チーム・ジャーニー」「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」がある。
「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」は、DXへ挑む、マネジメント・現場・すべての人へ書かれた書籍です。
中小企業から大企業・そして政府組織まで、日本中のあらゆるレイヤーにおいてDX(デジタルトランスフォーメーション)が急務であると叫ばれて久しくなりました。しかしながら、2020年、経済産業省のDXレポート2が報告する通り、多くの組織におけるDXは困難な状況にあります。
本書は、DXに挑むあらゆる組織・あらゆる立場にいる方々に、DXを成し遂げ、変化に対応しつづける強靭でしなやかな組織をつくるための道筋を示すべく書かれました。大企業を含む数多くの組織のDXの最前線に立ち続けた著者の実践と経験がこの一冊に込められています。
【目次】
イントロダクション 正しいものを正しく作れているか?
第1章 なぜプロダクトづくりがうまくいかないのか
1-1 なぜ、プロダクトづくりに苦戦し続けるのか?
1-2 多様性がプロダクトの不確実性を高める
1-3 不確実性とのこれまでの戦い方
1-4 アジャイル開発への期待と失望
第2章 プロダクトをアジャイルにつくる
2-1 アジャイル開発とは何か
2-2 スクラムとは何か
2-3 スクラムチーム
2-4 スクラムイベント
2-5 スクラムの成果物
2-6 自分たちのアジャイル開発とどう向き合うべきか
第3章 不確実性への適応
3-1 アジャイル開発で乗り越えられない不確実性
3-2 共通の軸を持つ
3-3 余白の戦略
3-4 スプリント強度を高める戦術
3-5 全体への共通理解を統べる作戦
第4章 アジャイル開発は2度失敗する
4-1 チームは2度、壁にぶつかる
4-2 プロダクトオーナーの果たすべき役割
4-3 チームとプロダクトオーナー間に横たわる2つの境界
第5章 仮説検証型アジャイル開発
5-1 自分たちの基準を作る
5-2 正しくないものを作らないための原則
5-3 仮説検証型アジャイル開発における価値探索
5-4 1回目のモデル化(仮説キャンバス)
5-5 1回目の検証(ユーザーインタビュー)
5-6 2回目のモデル化(ユーザー行動フローのモデル化)
5-7 2回目の検証(プロトタイプによる検証)
5-8 その他の検証手段
5-9 仮説検証の補足―本質、実体、形態
第6章 ともにつくる
6-1 正しいものを正しく作る
6-2 視座、視野を越境する
6-3 チームとともに作る
※今後のイベントのご案内先が変わります! 以降のイベントは こちら にてご案内いたします。 レッドジャーニーが主催するイベントのためのコミュニティです。 https://redjourney.jp/
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